毎日グラフ 昭和25年1月15日号 P3〜P7

カメラ「お光様」を探る



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※取材場所:清水町仮本部

 陶酔・観音境

(財)日本近代文学館 所蔵
北は青森 北海道から 西は阪神 九州まで−−全国から熱海へ集るいわゆる「お光様」観音教の信徒たち なかんずく美濃 尾張あたりが一番熱心な信者が多いそうで 朝の8時頃から 本山の大広間に鮨詰めとなり 縁側から庭にまで溢れ 教祖さまを拝んで 讃影歌の合唱である 法悦至極の幾時間 不景気を直したまえと胸に念じつつ・・・・・・ 歌詞は大先生の自作 歌のリードは井上執事 「そのころをかえりみすればおそろしと やみじ杖なく彷(さまよ)いしわれ・・・・・・」  (4頁へつづく)

※「其頃を 顧みすれば恐ろしも 闇路杖なく彷いし吾」
御讃歌集 昭和23年7月1日発表


神様大いに笑う  「べら棒めえ糞でも喰らえ といえば糞なぞ食えるものかと怒る しかしてめえたちは糞を食っているんだ 大ていの日本人は糞ッ喰いだ 大根にも菜ッ葉にも薯(いも)にも 米麦にも人糞尿をふりかけて作ったものを食ってるじゃないか 農作物に人糞をかけるから腹ン中に虫がわくんだよ 人間を殺す原子爆弾にはノーベル賞をくれるが 人間を救うわれわれの宗教爆弾には何もくれないとは−−残念なり ともなんとも思やしねえよ 医者が病人を殺す数と われらの宗教が人を殺す数と−−どっちが多いというんだい 病気の治らない医薬の方が科学的で 治る方が非科学的だというんだからね 僕はだから 目下 火で物を冷し 氷で物を温める方法を発明中なんだよ 本教に多額の収入があるとは怪しからんという とすれば神社佛閣のお賽銭も怪しからんことになる とすれば政府が取り上げる税金も怪しからんことになる とすれば 人が飯を食って生きることも怪しからんということになる とすれば・・・・・・さいげんがないから もうやめた アハハハハ」・・・・・・そこで記者もアハハハ オホホホホ ゲラゲラゲラ 


ベランメエ教祖


 泉都熱海が、観音教徒のメッカに、その性格を変えようとしている。
 デフレーションの焦げつきで、どこの宿屋も閑古鳥(かんこどり)。これじやァ到底やって行けない。「女中附き旅館売ります」が続出しかけたところに、パッと射した観音さまの御光拝で起死回生。一日に何千人かの善男善女が御本山詣りで泊まって行く「お光りさま景気」で新玉の年たちかえる壺坂霊験記以上の有難さ。
 それに、熱海駅裏桃山の中腹にドライヴウェー。広ぼう三万坪の大道場、ホテル、博物館、大浴場、茶室、公園など「瑞雲山」と名づけた一大パラダイスが出現しようとして盛大な工事がはじまっているし、また熱海梅園から、あの初川渓谷の右、左両側を十国峠まで、およそ五万坪の山林を開いて、ここにもホテル、茶室、花苑、美術館−−なぞ外人客も満足して遊べる観光日本の代表的アミューズメント・センターが起工されようとしている。これも活き神さま岡田自観大先生の命名で「瑞仙峡」。出来上ったらどちらも一般に開放提供しようという御託宣である。
 福の神、健康の神、百姓の神−−病、貧、争の三大禍(たいか)をこの世から、人間の運命から一掃してつかわすぞよと仰せらるる大先生岡田自観師は、これは、その昔はやはり、われら御同様の人間だった。凡夫だった。
 先祖五代にわたる江戸ッ子で、恋もしたし、病気にも罹ったし、また貧乏もドン底まで経験したし、それから何か発明品の特許権をとって日本橋か京橋だかで大問屋の店も張った。美術学校に二年ばかり学びもした。ずいぶん読書もした。大本教にも入っていた。
 大本教では幹部にまで昇進したのだったが、信条に異説をたてて出口王仁三郎と袂をわかち、それからここに十五年、日本観音教を押進めて来た。「わたしの腹の中に観音さまがお入りになってね、ここンところで固まってござる。まァ私の体というものは、神さまの道具みたいなものなのだよ」とあるから、そのいうところは即ち神の御意志のマイクロホンナイズされたものと思わねばなるまい。
 「われまことに、なんじらに告げん。暗黒の夜の時代は去った。いまや光明の世界が明けようとしている。ただ信ぜよ。ゆめゆめ疑うことなかれ」これ即ち神のお告げである。
この神の使徒岡田大先生は、一昼夜に三時間しか眠らない。六十八歳でもカクシャクたるものだ。人間は百歳以上生きることになっておる。わしも百までは死なない、といっている。夜、眠らないで原稿を書く。毎朝九時から道場に現われる。そこに毎日、異った信者がたいてい五百人くらい詰めかけている。
 机の上に一冊の書き物が載せてある。三十万信徒の愚問を書き上げてあるのだ。いきなり手に取って読みながら、股の間の火鉢から煙草に火をつける。「ああ、これァ迷信だ。浄霊をして信心怠らずやることだ。」そんな調子で説教をする。それから前の晩に書いた原稿を執事の井上さんに読ます。その原稿はシャレ・ウィットに富んだなかなかの名文である。信者も吹き出す。神さまも大いに笑う。(6頁へつづく)


※壺坂霊験記=「観音霊場記」の一部を、明治時代に加筆・改曲してヒットした浄瑠璃。
盲目の夫と良き妻の夫婦愛と、日頃の信心によって壺阪寺の十一面千手観音菩薩様が助けて下さるお話。
後に歌舞伎や浪花節にもなりました。 「妻は夫をいたわりつ〜 夫は妻を慕いつつ〜」 ってやつです。



自観先生・問答す

 大先生と、狐憑き青年との問答を聞いてみたが−−
大先生 「あなたはどなたですか」
青年 「このほうはこの肉体の祖先で 百八十年前に死んだ武士だ」
大先生 「なんのために憑りましたか」
青年 「望みがある」
大先生 「望みとは」
青年 「俺を立派に祀ってくれい」
大先生 「よろしい。では、あなたが武士時代の主君は誰でした。何代将軍の時代ですか。将軍の名は?天皇は?年号は?さァさァ早く、お答えなさらぬか!」
青年 「・・・・・・うーん」
大先生 「返事は、なんと、なんと?」
青年 「やッ、しまった。駄目だ。俺は穴守の眷属(けんぞく)なんだ。騙そうと思って来たが、とうとうバレちゃったァ。ごめん」
青年は引き退る。そこで大先生は狐霊を説くのだった。
 「首、肩の凝りは頭脳に送血する血管を圧迫する。それがため前頭部内に貧血を起す。頭脳内の貧血は、ただ貧血だけではない。実は、血液なるものは霊の物質化したものだから、貧血は頭脳を充実している霊細胞の貧血ではない貧霊となるのである。この貧霊こそ精神病の原因であって、憑霊は霊の稀薄を狙って憑依する。その霊とは何であるかというと、大部分は狐霊で、次は狸霊、稀には大猫のたぐいもある。
 そもそも精神病なるものの原因は何であるか。精神病の真因は肉体的と、それから憑霊現象だ。というと唯物的な教育をうけた現代人には、ちょっと判りにくいだろうが、眼に見えないものを無とするなら、空気も無だし、人間の心霊も無ということになる。そんな唯物教養は捨ててかからねばいかん。
 霊があるから在る。憑霊現象も在るから在る−−この真実を前提としなければ話はわかるまい。
 霊の実在をあくまで否定する人は縁なき衆生だ。そういう人々は吾々を目して迷信者という。同様に、われ々から見れば、そういう人々こそ気の毒な唯物迷信家なのだ。
 どうだ、わかりますか」
 「人間が病気にかかるということは、健康を要求している事実なのだ。熱が出て苦しむ。それは肉体が病気と闘っているせいだ。これに熱おさえの鎮痛剤をのます。一とき熱はおさえるが、すぐまた盛り返してくる。またのます。しだいに副作用で体を毀(こわ)して行く。これが現代医科学のやり方なのだ。おできが出来る。それを切り取る。また出来る。また切る。しまいには全身が無くなるほど切り取らにやなるまい。なんという愚だ。ただ信じること、つとめて精神、肉体を浄めること。それでいいのだ。どうだ、わかるまい」
 今度は判るまいと来た。さようなら!


※明主様信仰は「ただ信じよ」ではなく「大いに疑え」です。「他教にも大いに触れるべし」で、改宗も、また戻るのも自由となっております。
 どうだ、わかるまい、さようなら!



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 約1年前に脱税の疑いが新聞に載り、今だバッシングの最中にあっての写真報道でした。
またこの約1ヶ月後に「世界救世(メシヤ)教」が発足(大先生→明主様)、約3ヶ月後に「熱海大火」、約5ヶ月後「御法難事件と神事」。激動の昭和25年幕開けの貴重な写真ともなりました。
 尚、再現しきれませんでしたが、写真は良質紙にきれいに印刷されています。
当時の!毎日新聞社、並びにこの記事の情報を下さった方に深く感謝いたします。


「毎日グラフ」一月十五日号 本教を報道
  美麗な写真と公平な記事で

 毎日新聞社発行の「毎日グラフ」は一月十五日号において本教の全容を写真と記事で大々的に特集報道した。
 内容は自観大先生の日常生活から熱海別院御面会風景、熱海瑞雲山及び強羅神仙境の造営スナップ等美麗な写真と解説で五ページに亘り掲載されており、同社の公平な報道態度に多大な好感が寄せられる。 分会または教導所に一部は備え付けておくと布教上非常に便利である、定価は一部三十五円(送料三円)で全国の書店または新聞販売所で販売されているが、もし売り切れの場合は若干の手持があるから熱海別院内光社熱海出張所に至急申し込むと良い。
 「光」新聞45号 
昭和25年1月14日発行



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