左の道路が旧京浜国道の八ッ山橋、右は京浜急行の八ッ山鉄橋、そして下をJR各線が走り抜けます。
初代八ッ山橋は日本初の鉄道(丘蒸気)を跨ぐ日本初の跨線橋(明治5年)でした。2代目は日本初の近代的アーチ型橋梁(大正3年)として有名でした。また京急の八ッ山鉄橋は、この御歌を詠まれた昭和8年完成ですので、まさに「新東京を詠む」にふさわしいビジュアル的にも東京の交通のかなめの様な場所でした。
しかし橋を見て思うに御歌の風景は、冷たい海風の中を汽笛に追われる様に急ぐ人、急ぐ車、交錯する電車、都会の喧騒と悲哀を詠まれているように感じられます。



海風は 頬(ほう)につめたく橋にかかる 人いそぐなり汽笛きこゆる
                       昭和8年「松風」2巻1号(新東京を詠む)


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