寒泉浴図(かんせんよくず) 喜多川歌麿
寛政十一年(1799)頃の作品(肉筆浮世絵)
98.5×48.3


 暑〜い夏の日に町娘が行水するところを覗いてしまった! の図です。
 美人画と言えば歌麿とも言われますが、真筆と断定できる肉筆浮世絵となるとその数はきわめて限られたものになるそうです。この作品は正に真筆と言える代表作のひとつで、浮世絵の裸婦画?としても大変めずらしい作品だそうです。(春画は別カテゴリー)

 顔出しNGの後ろ姿の日常の裸婦ってところが日本的な気がします。ポーズは西洋画よりも大胆なのに日常故に自然に受け入れられ、日本的な優美さが十分に感じられます。浮世絵の浮世絵たる所以でしょうか?
 専門家評によると、風呂桶、手拭い、水、細密な女性のうなじ等の写実的描写との対照によって、肌の滑らかさ、柔軟さを描き出そうとしているそうです。確かに!

よ〜く見ると背中やお尻に薄いピンクのグラデーションが入っていて、丸さや色気も倍増しているようです。
これは西洋画の陰影法の影響でしょうかね。。。?としたら逆にこの点ももっと評価されるべきなのかも?
 “鎖国下の江戸で北斎より早い時期に” という所に注目したい。。。(努素人かつお式)



※この作品の出展は専門家、美術ファンに驚きをもって迎えられたそうです。その事については後の「肉筆浮世絵展へGO」の新聞記事にて!

それにしても彼女は何で戸を閉めてから脱がなかったんでしょうね。。。?


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