あなたの宗教は何ですか


もしこんな記事を見つけたら、あなたならどうしますか?


昭和27年8月20日 東京日日新聞 


国立国会図書館 所蔵
あなたの宗教は何ですか
本社では近く宗教欄を新設しますが、これを記念して次のような「世論に聴く現代宗教」の調査を全国的に行っております。本欄中の調査票を切り抜きの上、封入(開封8円、10日分まとめても結構)又は直接東京日日新聞社事業部(東京都千代田区有楽町1-11)にお届け下さい。

--調査票をお寄せ下さい--
期間:8月20日から9月末日まで
発表:8月25日頃から逐次東京日日新聞、新関西新聞、新九州新聞紙上に発表。

主催 東京日日新聞   協賛 文部省・日本宗教連盟


調査票

【問】あなたが信仰している宗教は何んですか。教団宗派名(または教主・管長・氏名)を次に記入して下さい。
【答】_

▲注意 本調査は現代宗教について行われるものでありますから、明治維新前後に興った宗教名を記入して下さい。
 ◇(あなたの住所・氏名は公表致しません)
住所_ 氏名_

国立国会図書館 所蔵



本紙では芸能人の人気投票などを時々をやっていましたが、今回のテーマは「宗教」となりました。それも所謂「新宗教」が対象です。販促も兼ねている所がチトにくいですが、なかなか面白い企画です!
 教団発表の信者数というのは、ある意味仕方ないのですが往々にして実態と違う場合があります。故に当局の関心も高かったようで、文部省・日本宗教連盟も巻き込んで、かつて無い大規模な調査となりました。
さ〜てどうなるんだろう。。。楽しみ〜!





五日後



あれから5日たちました。さぁ〜我が世界救世(メシヤ)教はどーなってるか!


昭和27年8月25日 東京日日新聞


国立国会図書館 所蔵
反響呼ぶ調査
全国集計は週に1回発表
「宗教欄」の新設を記念して、本社が提唱した「世論に聴く現代宗教」の調査は発表以来各方面に非常な反響を呼んで連日数百通の投票用紙が届けられているが、24日現在の総数は3700余票に達している。立正佼成会はさすが東京地区に多数の信徒を擁しているだけに票数も1番多く、妙智会教団がこれに次いでいる。また大本愛善苑(元大本教)も東北・北海道方面からの投票がかなり多く、PL教団(元ひとの道)は東京都内からの投票が多い。なお新関西、新九州の両紙でも地区ごとの集計を25日から連日発表するほか全国集計は1週1度ずつ3紙に同時掲載することになっている。


立正佼成会:637 妙智会:521 天理教:413 PL教団・・・・・・あれ、あれれ〜?!世界救世教:48票。。。で14位。。。って出足ワル〜!
つーか大丈夫?。。。


同日 東京日日新聞


分布状態の調査が目的
投票について読者の質疑

『本紙の世論に聴く現代宗教』については連日熱心な信者から問合せが殺到しておりますが一括して後から御答えします。
【問】私は○○宗の信者ですが、一昨年ある動機から○○教を信じています。どちらも有り難いお教えと思っておりますが、二つとも投票してはいけませんでしょうか。(杉並・ケイ子)
【答】こんどの調査は明治維新前後から、今日までの宗教ということになっていますから、後者の○○教だけにして戴きます。
【問】私の家は皆○○教の熱心な信者ですが、一枚の投票紙に皆の名前を書いてはいけませんか。(神奈川・秋山生)
【答】整理のため一枚に一人ということになっておりますから、別々にお書き下さい。
【問】私は○○教を信じてから心の安定を得て、その日その日を感謝の気持で送っております。しかし私たちの教主は宣伝ぎらいで、教義の押売りなどは絶対にしませんため、信者は余り多くはありませんがしかしそれだけ信者は熱心で、教主を中心によくまとまっております。調査の結果、信者が少ないからといって差別をつけられるのは面白くないと思いますが、それについての御社の意見は如何ですか。(文京区・K生)
【答】こんどの調査は信者あるいは信者を志す人数と分布状況を知るのが目的ですから、教義の内容とは関係ありません。
【問】私は先年ある市に行きました時、そこの○○教本部の参拝者が、毎日何百何千とつめかけるのを見て驚きました。それ以来新興宗教の動きに注意しておりますので、こんどの御社の計画を興味をもって見ています。序(つい)でに全国の新しい宗教を紙上に紹介して戴ければ幸いと思いますが、如何でしょう。(中央区・杉谷生)
【答】承知しました。できるだけ紹介します。
【問】信者でなければ投票してはいけませんか。(横浜・無名氏)
【答】そんなことはありません。あなたが信じてもよいと思われる宗教に投票されるのは御自由です。

国立国会図書館 所蔵


「分布状態の調査が目的」。。。確かにこの調査方法では実際の信者数はわかりません。しかし新宗教の中でどの位の割合を占めているのかについては、教団発表の数字より更に実態に近いものが得られるかもしれません!
それにしても皆さんかなり力が入ってますね! チト恐いくらい。。。

「序(つい)でに全国の新しい宗教を紙上に紹介して戴ければ幸いと思いますが、如何でしょう。」の意見に答えてか、後日「新興宗教教祖列伝」という新企画が始まった。もちろん明主様も登場されましたよ〜!
小生も何か力入ってキター!


昭和27年9月3日 東京日日新聞
新興宗教教祖列伝
救世教 
岡田茂吉 


国立国会図書館 所蔵
箱根は強羅公園上の景勝地を救世教では神仙郷となづけている。朝な夕なに濃い霧がユッタリと流れ、幽遠な静けさは観光客の心を澄ましめる。粗雑な山地をすっかり自然庭園の趣きに改装し、今度四千万円を費して完成した美術館周辺、日光殿を中心に一帯は正に救世教の聖地というわけだ。チリ一つない美しい道を登り切ると岡田教主の住いが濃い樹々にとりかこまれてあらわれる。応接間は三方ガラス窓で、視界は広く、窓からゆるやかに霧の煙がはいってくる。ひょうぼうと望む樹海のつらなり、どこからか虫の音が・・・・・・あの世の天国ではなく、同教団が口を開くたびにいう、いわゆる『地上天国』━━貧乏人がタメ息を吐くような天国≠セ。二十三年末から脱税、贈賄事件をひきおこし内部的にも相当の波乱もあったはずなのにこうして美の天国を着々と築きあげてきた岡田教主の才腕には頭を下げざるを得まい。だが教主は信者から神と敬まわれ、一般世間から神がかりといわれると笑いがとまらぬらしい。パイプ煙草を吸いながら
 『わしは俗人中の俗人で結構。神さまだなんてひれ伏されたら好きな事もいえんじゃないか。若いときには芸者買いも人並み以上にやったし、ちっとも普通の人間と変りはせん』
とキサクにいいのける。三十九歳までは無神論者で、小間物屋をやったり、いろんな商売でスッテンテンになり、苦しい時の神だのみ大本教をはじめあちらこちらを信じてまわった。大本教に本格的に入りこんだのが震災後、昭和三年に俗人稼業サラリとやめて信仰一辺倒となったわけだ。信仰とは神への恋愛なり=E・・そのころこんないい方をしたのも美校中退の肌ざわりがうかがえる。昭和十年神霊療法を会得し、大本教を脱退東京に旗をあげた。その年の暮例の大本教への大弾圧。幸運なスタートだった。


新聞の書き方も美術館開館以降はずいぶん変ったもんですなぁ。。。
そんなこんなで御待ちかねの、この日の ランキング は!

◇宗教欄の新設を記念して連載された『新興宗教座談会』は各方面に非常な感銘を与えたとみえて、教団、信者、あるいは一般読者から種々の投書が殺到しているが、中には某々教団の内容を暴露したもの、わが教団の沿革などを記したものもあるが近くまとめて本欄で発表する予定である。(係)
◇二日正午現在までの投票数

妙智会:二二九六
天心教:九八三
立正佼成会:七九四・・・

国立国会図書館 所蔵


世界救世教:131票で14位変らず。。。って、ナヌ?。。。

まだ関西、九州票は加算されていませんが、それにしても131票とは。。。


昭和27年9月4日 東京日日新聞
新興宗教教祖列伝
救世教 
岡田茂吉 


国立国会図書館 所蔵
銀髪が年毎にツヤを加え、大きな耳は桜色、とても七十七歳の老齢とはみえない。説話口述で夜中の二時ごろまで過すのに昼は樹を切ったり草をむしったり花を摘んだり重労働をやってます≠ニいう救世教の教義は歯切れがいい。要するに浄霊≠ノ集中する。透明体の霊が曇るとバイ菌になる。あらゆる病災はこの霊のくもりから生ずるから、霊を浄めねばいくら薬をつかっても治るはずがないというのである。却(かえ)って医薬を毒とキメつける。しからば浄霊とは具体的にどうか。手の先から発する霊光により浄めるわけだが、だれでもこれが出るわけではない。腹中に神秘な火薬≠有する岡田教主から発し、教主自筆のお守りを身につけた信者ならそれが可能である。観音教と称したころは、観音さまが腹中に宿られ救世の霊示を垂れる≠ニ説明したが、今はつまり、神とつながる、一種のアンテナを持つ一つのエネルギー体≠ニいう。
教義の特徴は、極めて非常識だ。医薬の否定が端的にそれを現わす。ここから生ま半可の奇蹟を説きながら、病院や社会事業に力を入れる他教団を、低級だ≠ニいい切る。随分思いきったドグマだが、常識そのものをおくれた思想と断ずるから、文句はない。二十一世紀の科学と自称する所以だ。宗教という範ちゅうを超えた一つの世界━━これが救世教のかかげる『地上天国』に表現される。
死んでから十分もたった人間をよみがえらした話━━救世教によって健康になった信者が、今も奉仕隊として美術館周辺の整地作業に働いている事実、これは疑いもなく現実である。
そして人間岡田茂吉が大の美術愛好家であることもたしかだ。光琳を語り、仁清、乾山の作品に目を細め、倦(う)むことなく美≠ノついてしゃべりつづける。そこには神がかりの雰囲気もなく、御隠居さんの楽しい座談といった面持だ。救世教は特異の色彩を持っている。そして教主も特異な存在だ。それだけに一般人とのミゾも深い代りに、ミゾをこした信者たちはたまらない魅力を感じてしまうらしい。

そんなに一般人とのミゾ深いですかぁ。。。(笑)
当時の宗教のイメージや常識とは随分違った存在の救世教だったようです。
良い意味で超宗教つー事で。。。まあいっか!?
それでは、気になるこの日のランキングは。。。


世界救世教:172票で12位に。。。チトUP!?
でもトップとの得票差2742.。。。って何ででしょ。。。
信徒30万を擁する日本一の金持ち大宗教だったはずなのですがぁ。。。

こうなったらもう中間発表まで、すっ飛ばしちゃいましょう!

国立国会図書館 所蔵



(-_-)zzz



昭和27年9月15日 東京日日新聞


国立国会図書館 所蔵

三社合計投票数
『世論に聴く現代宗教』の調査はすでに開始以来十五日になるが東日、新関西、新九州の三社到着分十日現在数は次の通りで、妙智会(東京)が群を抜いている。


残り15日の時点で世界救世教は、東日:798、新九州:無記載、新関西:303で、合計1101票の10位だそうです。。。
まあ日本の新宗教の中で10本の指に入ってるって事でいいんでしょうかね。。。
でも何か釈然としません。。。特に九州票が無いってところも。。。
九州と言えば、木原義彦先生率いる光宝大教会をはじめとする有力教会があるはずなんですが。。。

もしや、先生の雷が落ちたのかな。。。「こんな数の競争より、他にやるべき事はありませんか!」
みたいな。。。(木原先生は当時既に教団理事長でしたm(__)m)
ともあれ、締切後の10月9日には東京本社分の全集計が発表され、ほぼ大勢が判明しますので、又々そこまですっ飛ばす事にしましょう!




(-_-)zzz





キター!
やっぱ世界救世(メシヤ)教はスゴかった!


昭和27年10月9日 東京日日新聞

世論に聴く現代宗教
本社集計 四十一万六千余
多大の関心
成功裡に終る

本紙が僚紙の新関西(大坂)新九州(福岡)とともに宗教欄新設を記念して全国的に実施した『世論に聴く現代宗教』の調査は文部省、日本宗教連盟の後援と、各宗教団体の積極的な支援によって去る8月20日の投票開始以来40余日、信仰に生きる人々から続々と調査票が寄せられ、5日正午までに本社に到着分をもって本社扱い分の投票を打切り、7日正午文部省側、文学博士渡辺楳雄、萩野辨氏(文部省宗務課長代理)日本宗教連盟側真溪義貫氏(日本宗教連盟渉外部長)宗教団体側吉田敬直氏(国際宗教同志会副会長)本社側西村事業部長ら立会いの上審査を行い、集計を行った結果、総票数四十一万六千八百二十六票(うち神社神道、十三宗五十余派の仏教及びキリスト教諸派の宗教名を記入して無効となったもの二万七百五十一票)の多きに達し、生活に結びついた現代宗教がいかに大衆の心をとらえているかをまざまざと表現したものとして注目される。本社扱いの集計は次の通り
全国集計は12日発表 なお本社、新関西、新九州3社の集計は12日附で3社一斉に発表する。

国立国会図書館 所蔵


世界救世(メシヤ)教:88,145票で2位にJumpUP! やっぱ世界救世(メシヤ)教はスゴかった!

下が3社の最終集計結果です!(クリックで拡大します)

昭和27年10月12日 東京日日新聞

国立国会図書館 所蔵


今回も結局長〜くなってしまいましたが、日本の宗教界における法華経パワーは再認識できました↑そして今後も注目していきましょう。
しかし上記信者数の表を見るにつけても、日本は八百万の神々が住む島なんだなと改めて感心してしまいます。(玉石混交?)何故ならこの表の外には更に多くの伝統的神道、仏教、基督教等があって、大小の神社仏閣教会等が多数存在するからです。そして年末は家庭でクリスマスを祝い、大みそかはお寺で除夜の鐘をついて、翌日神社に初詣したりする日本人が住んでいます。最近はこれに加えてスピリチュアルブームです。日本人と宗教、と言うより信仰は案外自然な形で密接に結びついているのかもしれません。私たちも明主様信仰ですが。。。いや、ですので菩提寺や地域の氏神様を大切にするのは基本です。でもキリスト、ユダヤ、イスラム等の一神教の国の人から見るとこれらは異常事態だそうです。なにせ千数百年越しの争いが今だに続き、戦争までやっちゃうんですからねぇ。。。
どっちが異常事態かは知りませんが、日本の本当の使命はきっとこの辺りにもありそうです!
さあ実は熟しました!?。。。そろそろ私たちの出番かな。。。(超かつお式 m(__)m)



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