御降誕日


明主様が御生まれになったのは新暦の明治15年(1882)12月23日(土曜日)、この日は冬至の翌日にあたり、陽のさす時間が長くなり始めるという、まさに日に向かう第1歩のお日柄に御生まれになりました。

 でもチョッと日本史的な視点で考えてみると、5年前に西南戦争があって、お侍さんがいなくなったばかり、まだ憲法発布もされていない文明開化の黎明期です。
と考えるとずいぶん昔の事のように思えます。
しかし明主様御昇天の昭和30年(1955)といえば、終戦をはさんで高度経済成長の始まり「神武景気」がスタートした年でもあり、そう考えると今度はぐっと身近にも感じられます。
日本人が異文化を吸収するポテンシャルの高さにも感心させられますが、明治、大正、昭和という日本近・現代史、いや過去歴史においても総決算のような節目の時期に、現身(うつそみ)に在られた明主様であられた事を感じます。

???本当の総決算はまだ少し先でしたね。。。。。。なん〜て怖いなぁ。。。



ので新聞にイッちゃお〜!


こちらは明主様が御生まれになった日の新聞です。(新聞は新暦表示)
旧仮名遣いと変体仮名ばかりであまり解読できませんが、1、2面の内容は、官令や国家試験の告知、官庁の人事などが主で、大きな事件、事故、天災などもない穏やかな一日だったようです。(24日付けも同様)
 日に向かう第1歩のお日柄の、東方之光としての御降誕日ですから、お天気に恵まれぬはずがありませんが。。。
この時代はまだ天気予報は載ってません。。。でも新聞記事によると数日来良い天気が続き、乾燥しているので火の元に注意とあります。
やっぱね〜!


3面は身近な記事で4面は広告ですが、こちらにもあまり大きな記事はありません。。。本当に穏やかな晴天の一日だったようです。
でも何も載せないとページが成り立たないので、とりあえず23日付け3面記事でもいかがでしょうか。。。(解読苦節1.5時間)



千葉県下柳澤八街村の野村助次郎(四十四)はだんだん不幸が続いたうえ昨年中女房に死なれ引続いて自分も病気となり回復はしたれど其(そ)れ是(こ)の物入りで暮しが立たず家作を二十二円で売って其の金で借金を済まし あと二円程を旅費に東京の八丁堀に居(い)る甥の喜太郎を尋(たず)ねて七ッになる長男松太郎の手を引いて来てみると喜太郎は八丁堀に居ず麹町の英国公使館にコックとしていると聞いて其の日宿屋に泊ッて翌日公使館に尋ねて行くと喜太郎は主人と共に横浜山手十三番館へ引移りしと聞いてガッカリしたが佐りとて今さら在所へは帰られずまた横浜まで尋ねて行かんと思えど旅費は残らずつきたうえ陸(おか)を歩いて行くには子供の足がきかず汽車に乗る金はなし途方に暮れて去る十九日の午後二時ごろ高輪八ッ山下の一膳飯武蔵屋市五郎の表にてせがれが着ていたハンテンを脱がせ紙くず屋へ売ろうとすると十五銭にしか値をつけぬゆえ是々の次第で誠に難渋を極めるからせめて二十銭に買ッて下さいと涙と鼻汁と一ッにつづッて拝むのを最前から飯屋の店で聞いていた若い男が助次郎を呼び込み「失礼だがここに持ち合せが三十銭有るから進呈いたそうこの寒いのに其の子もハンテンを脱がせられてはたまるまい是(これ)から神奈川までなら丁度汽車賃に親子二人で三十銭ゆえ神奈川まで乗ッて行きなさい」と恵んでやッた心を感じ飯屋の亭主市五郎も親子に飯を振舞ッてやッたので親子は地獄で仏にあッたほど喜び礼もそこそこに四時の汽車に乗ッて行ッたがこの恵んでやッた男は持ち合せが三十銭しかないと見えて「親方気の毒だがこの一件で今日は一杯やるわけには行かないからまた其のうち来て入れ合わせをしましょう」と酒も飯もやらずにたち帰ッたとても心の涼しい人やとそばに見ていた者が飯屋の亭主に「今の若い人はいつも来つけの人のようだが何処の人だい」と聞くと亭主は石皿に煮染めを盛りながら「あの人はたしか品川の明伏(あけぶし)とかいう貸し座敷の妓夫(ぎふ)でございます世間の人は妓夫といえば犬や馬にも劣ッたようにいやしめますが中にはあんな心掛けのよい人も有ります」
明治十五年十二月二十三日 読売新聞


※妓夫=夜鷹(娼婦)や遊女屋の客引き
※英国公使館=後の自観荘隣、八ッ山下=品川宿、駅=品川駅



130年前の小さな出来事でした。。。
この他にも3面では、「前号で出した牛込の小熊太郎吉に、○○町の○○が金○○銭恵まれました」「○○は金○○銭恵まれました」・・・・・・なんて記事が載ってたりします。
訂正記事だって迅速です!
「昨日の紙上・・・・・・云々は大きな間違えにて・・・・・・かの一件は取消します」だって。
 まだ社会的欠陥をテーマにした記事は少ないものの、草創期の新聞は少なくとも「善を鼓吹する新聞 御論文S25」だったようですね。何時からか「恐しき新聞の自由 御論文S24」となってしまい、中傷・偏見・デマ記事と戦うことになってしまいます。



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